こだわりぬいた原料と製法でつくられる幻の純米酢
米酢
飯尾醸造/京都府宮津市
2022年8月号掲載
米の優しい香りと円熟の旨み
宮津市で1893(明治26)年から5代にわたってお酢づくりを続けている飯尾醸造。原料となる米の無農薬栽培に始まり、酒(もろみ)の仕込み、そしてお酢の仕込み、発酵という過程を経てできる昔ながらのお酢づくりをしている蔵元だ。「米の種まきから数えて最短でも2年はかかります」と5代目の当主(代表取締役社長)である飯尾彰浩さん。
実は洋の東西を問わず、お酢づくりは酒づくりが基本。だが近年は醸造用アルコールを添加して短期間で製造するメーカーが増え、自社で酒からつくっているメーカーは希少な存在だ。もろみができたらお酢蔵に運び、水と種酢を加えて仕込みを開始。「静置発酵」と呼ばれる方法で80~120日かけて発酵させ、その後さらに240~300日熟成させる。
こうしてできあがる同社の酢は米を酢1ℓあたり200gと、日本農林規格で定められた量(1ℓあたり40g以上)の5倍も使用しており、濃厚な旨みとコク、そして芳醇な香りが特徴だ。ただし、米酢本来の香りを苦手と敬遠する人も少なくない。そこで、同社が開発したのが「富士酢プレミアム」。同社の低難商品を大幅に上回る1ℓあたり320gもの米を使ってその旨みを十二分に引き出すことで、優しい香りに変化させ、一方で円熟の旨みを味わえる、文字どおりプレミアムの酢だ。
実は洋の東西を問わず、お酢づくりは酒づくりが基本。だが近年は醸造用アルコールを添加して短期間で製造するメーカーが増え、自社で酒からつくっているメーカーは希少な存在だ。もろみができたらお酢蔵に運び、水と種酢を加えて仕込みを開始。「静置発酵」と呼ばれる方法で80~120日かけて発酵させ、その後さらに240~300日熟成させる。
こうしてできあがる同社の酢は米を酢1ℓあたり200gと、日本農林規格で定められた量(1ℓあたり40g以上)の5倍も使用しており、濃厚な旨みとコク、そして芳醇な香りが特徴だ。ただし、米酢本来の香りを苦手と敬遠する人も少なくない。そこで、同社が開発したのが「富士酢プレミアム」。同社の低難商品を大幅に上回る1ℓあたり320gもの米を使ってその旨みを十二分に引き出すことで、優しい香りに変化させ、一方で円熟の旨みを味わえる、文字どおりプレミアムの酢だ。
Profile:飯尾醸造
1893(明治26)年創業の食酢メーカー。「天橋立」から車で15分ほどの場所で1世紀以上にわたりお酢をつくり続けている。3代目の飯尾輝之助氏が1964(昭和39)年、地元農家に依頼して原料となる米の無農薬栽培を始めるなど原料からこだわる。