スパイスの香りが本格的

イノシシ肉のスパイスカレー
おおち山くじら/島根県邑智郡美郷町
2023年5月号掲載
「害獣」ではなく「生命ある資源」として
町面積の89%を森林が占める、緑と水の豊かな島根県美郷町。温暖で湿度も高いため、木の実のドングリ類、植物の地下茎、果実、タケノコなどイノシシが好む植物が多く、季節に関わらず雑味の少ない良質な肉質のイノシシが育ちます。しかし、人口減少や狩猟者の高齢化等でイノシシが里山へ下りる頻度が高くなり、農作物被害も深刻化。
しかし、そんな田畑を荒らすイノシシを「害獣」ではなく「生命ある資源」として扱い、食肉・加工品・皮加工などさまざまな形で活用地域資源として役立てる取組みをしているのがおおち山くじらだ。
そんなおおち山くじらの人気商品の一つが、スライスした猪肉を5種類のスパイスとトマト、バターでじっくり煮込んだイノシシ肉のスパイスカレー(レトルトパウチ)。カルダモンの華やかな香りと猪肉の力強い旨味が特徴的なカレーは、ごはんだけでなくナンとも相性抜群。薄切り肉のイノシシはで食べやすく、クセもなくあっさり目。スパイスの香りが本格的です。
Profile:おおち山くじら
美郷町もしくは近隣市町村で捕獲された野生猪を、処理施設に搬送・食肉処理し、全国に出荷し、地域資源として役立てる取組みを行う。また、食肉処理したイノシシの廃棄物である生皮を加工しイノシシ革に、食肉基準はクリアしているものの、さまざまな理由で利用されないイノシシ肉を犬や猫のためのペットフードに、さらにペットフードとしても活用できない内臓や骨等の部位は、鶏のエサとして利用している。