和菓子の木型と技術をいかした大人向けラムネ菓子
高岡ラムネ
大野屋/富山県高岡市木舟町
2023年10月号掲載
甘辛い味わいと弾力ある食感が特徴
加賀藩二代目藩主・前田利長によって高岡城の城下町として栄えた高岡市、そんな歴史ある城下町で180年の歴史を持つ老舗和菓子店「大野屋」が歴史の中で使ってきた木型と培った技、和菓子の季節や行事に合わせ生まれた美しい造形、さらには富山県産コシヒカリや国産素材を組み合わせ、高岡文化の新旧を織り交ぜたのが「高岡ラムネ」だ。高岡ラムネを手がけたのは、大野屋の長女・大野悠氏。職人たちの協力を得て2年の歳月をかけてオリジナルのラムネを完成させた。
使用する材料を混ぜ合わせラムネ用にリサイズした木型に詰め、木製のコテで叩いて打ち出す。作業そのものは和三盆を使った干菓子と同じだが、ラムネは落雁に比べて小さいため、打ち出しに技術を要する。同店の木型で1回に作れるラムネは10コ。
難しいのは、木型に粉を詰める際の力の加減。型1つずつに加える力が強くても弱くてもいけない、職人が覚えた手の感覚がすべてである。多くが原材料にコーンスターチを使うなか、同店は富山県産コシヒカリの米粉を使用。そこに厳選した国産品の生姜やいちご、ゆず、りんごなどを加工したものを加え、生姜はピリッとして風味豊かな大人向けのラムネに仕上がっている。
職人がひとつひとつ手で作ったラムネは、ふんわり柔らかな口どけの後に、国産の素材が香る優しい味だ。
使用する材料を混ぜ合わせラムネ用にリサイズした木型に詰め、木製のコテで叩いて打ち出す。作業そのものは和三盆を使った干菓子と同じだが、ラムネは落雁に比べて小さいため、打ち出しに技術を要する。同店の木型で1回に作れるラムネは10コ。
難しいのは、木型に粉を詰める際の力の加減。型1つずつに加える力が強くても弱くてもいけない、職人が覚えた手の感覚がすべてである。多くが原材料にコーンスターチを使うなか、同店は富山県産コシヒカリの米粉を使用。そこに厳選した国産品の生姜やいちご、ゆず、りんごなどを加工したものを加え、生姜はピリッとして風味豊かな大人向けのラムネに仕上がっている。
職人がひとつひとつ手で作ったラムネは、ふんわり柔らかな口どけの後に、国産の素材が香る優しい味だ。
Profile:大野屋
天保9(1838)年創業。初代大門屋吉四郎がそれまでの醸造業から菓子屋に転じたのが始まり。以来この高岡の通称「山町筋」で菓子屋を営み続け現当主で9代目。代表銘菓「とこなつ」や「田毎」など、万葉の歌人・大伴家持の歌に因んだ銘菓を中心に、四季折々のお菓子など多数取り揃えている。2013年より発売した和菓子木型で作った「高岡ラムネ」はThe Wonder 500に選ばれた。