天橋立の風土が育んだ缶詰

オイルサーディン
竹中罐詰株式会社/京都府宮津市
2024年2月号掲載
素材の風味を大切に手仕事だからできる丁寧な缶詰
缶詰づくりの基本は、まず鮮度の良いイワシを仕入れること。その年に生まれた新鮮な小ぶりのいわしを、伝統の技術で油づけにした、見た目も美しいオイルサーディン(いわし油づけ)の缶詰は、同社の代名詞。宮津・天橋立の風土に育まれてきた逸品だ。使用する油も、綿の実から採れる上質な綿実油を使用し、さらりとした上品な味わいに仕上がっている。そのままはもちろん、サンドイッチやピザ、炊き込みご飯などにも利用できる。
一つ一つ丁寧に手作業で製造した「天の橋立シリーズ」は、オイルサーディンのほか、はたはた、沖ぎす(にぎす)、ホタルイカ、帆立貝柱、かき、つぶ貝など全9種類。求める品質には妥協がなく、機械化・自動化が進む中でも手作業の方が優れていることが多くあると考え、原料の魚介類の下ごしらえから缶に詰めるまでの過程を手作業で行う。天然の原料を使用しているため魚介類の大きさや形は日によって異なるが、そのわずかな違いを熟練の技で見極めながら、丁寧かつ素早い手作業で鮮度を保ちながら、缶詰に仕上げている。
Profile:竹中罐詰株式会社
他業を営んでいた2代目がオイルサーディンの製造を学び、1908(明治41)年、創業者が京都市内で野菜の缶詰製造業開始。以来、「缶詰は中身が見えないので、信用で買っていただくもの」と「召し上がっていただく方に良かったと思っていただけるよう」をモットーに、確かな素材を選ぶことを心がけ、開けて美しく、食べておいしい缶詰を目指す。